共通ガイド練習と安全を整える

演技中のミスから気持ちを立て直すための練習

更新日:

演技中の立て直しは、「ミスを気にしない」と言い聞かせるだけでは準備しにくいものです。ミスの後に何を見るか、どの動きから再び演技へ戻るかを、普段の練習で指導者と決めておくと、本人が次の行動を選びやすくなります。

ただし、転倒や衝突、痛みを伴う場面まで演技を続ける練習にはしません。安全に継続できるかの判断が先です。

この記事の内容

「失敗しない」目標とは別に、戻り方を用意する

手具を落とした、曲の位置を見失った、次の動きを一瞬忘れたなど、立て直しが必要になる場面は競技によって異なります。本人が不安に感じている場面を一つ選び、その後にできる行動をコーチへ相談しましょう。

例えば「受けの後に止まったら、次の音の目印を聞く」「動きが飛んだときは、コーチと決めた位置からつなぐ」など、本人が覚えられる短い合図にします。実際に省略や変更をしてよいかは、構成や規則、安全面を含めて指導者が確認します。保護者が動画だけを見て独自の戻り方を指示しないようにしてください。

練習で毎回わざと手具を落とす必要もありません。動画を止めて「ここで困ったら、次は何を見る?」と話すだけでも、確認できることがあります。

練習では、取り返そうとする動きを増やさない

一つのミスを取り返すために、予定していない高い投げや難しい技を足すのではなく、今の構成へ戻ることを目標にします。「次も失敗したらどうしよう」と考え始めたときのために、直後に見る場所や聞く音を一つに絞る方法もあります。

本人と相談するときは、次のようなやり取りにしてみてください。

本人:「落とすと、その後の動きも分からなくなる」
保護者:「落とした後、先生はどこから戻ろうと言っていた?」
本人:「次の強い音で前を向く」
保護者:「それを次の練習で確認したい、と先生へ伝えてみよう」

保護者が新しい合図を増やすのではなく、指導者と決めたものを本人が理解しているかを聞く形です。合図が本人に合わなければ、覚えやすい言葉へ変えてよいかコーチへ相談します。

練習動画を見るときも、ミスの瞬間だけで止めず、そこからどう動いたかまで見ます。予定に戻れた場面があれば、その行動を具体的に確認しましょう。

本番後は、ミスと立て直しを別々に振り返る

「落としたから全部駄目だった」とまとめず、何が起きたかと、その後にできたことを分けます。落下自体は課題として残っても、周囲を確認して手具を回収した、次の位置へ戻った、最後まで構成を続けられた、といった部分は別に振り返れます。

本人がまだ話したくない様子なら、その場で動画を再生して説明させる必要はありません。落ち着いてから、「ミスの後に戻れたところはあった?」と尋ね、本人の感覚を聞きます。

次の目標は、「今度は絶対に失敗しない」ではなく、「この場面で困ったとき、決めた合図を使えるか確かめる」のようにします。ミスを減らす練習と、起きた後の行動を整える準備は、両方あってよいものです。

記事の先頭へ戻る ↑